新入社員歓迎

4月の始めの朝、会社で新入社員歓迎の飲み会があると旦那に言われました。
今年は新入社員の配属が少なくて、歓迎会といっても、飲み会の口実だけでした。
飲み会で帰りが遅くなると嫁さんが機嫌が悪いので、なにか都合のいい口実を作っては遅くまで飲み明かすのが旦那の職場では慣例のようになっていました。
いつもの事なので気にはしていませんでしたが「いつ帰るの」と何度電子メールを入れても、返事は「もう少し」という返事しか帰って来ませんでした。
終電が終わる頃になってようやくこれから帰るというメールが来ました。
私はパジャマに着替えて、先に布団に入って旦那の帰りを待ちました。
半分寝入った頃に、ドアのチャイムが鳴りました。
勝手に入ればいいのにと思っていましたが、チャイムが何度も鳴るので玄関まで行って外の様子を伺いました。
男の声が騒がしく聞こえるので、ほかの会社の同僚も一緒のようでした。
ドアを開けると、いつも遊びにくる同僚の男性と旦那が、まだ子供みたいな男の子を両側から支えています。
「こいつ新人なんだけど、初めての飲み会で飲みつぶれてね、アパートも分からないから連れてきたんだ」と言います。
まあしょうがない人達ねと思いながら、旦那には男3人で旦那のパソコンをおいてある部屋で寝てもらいました。
翌朝旦那と、会社の同僚はなんとか眠気をこらえて置きましたが、新人の男はどうも体調が悪そうでとても朝早くには起きられる様子ではありませんでした。
旦那と、同僚は私に後を任せて、先に会社に行きました。
私はどうしていいのか分かりませんでしたが、ひとまずほっておこうと思って、部屋には入りませんでした。
昼近くになって、旦那の部屋のドアが開くと、ズボンを脱いで下はパンツ一枚で、

上にはグレーのシャツを着た男が出てきました。
男は昨日なにがあったのか、思い出そうとしているようですがまだ頭がはっきりしない様子でした。
部屋の中を見回すと、部屋に干したままになっている私のネグリジェに視線が向けられました。
男の男根がパンツの下から盛り上がってくるのが見え、私はこれはまずいととっさに思いました。
男は部屋のなかで私を追いつめると私を押し倒してきました。
私の身体を襲う欲望は、嵐のような激しさでした。
浜辺におしよせる波のように、欲望は繰り返し私の体に押し寄せては退いていきました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくりました。
私に許されたのは、望みを捨てて従属する快感に身をゆだねることだけでした。

 

小さな通路ningennokeikou