結婚式の招待状
結婚式の招待状が届いたので、夜夕食のあと旦那に見せました。
旦那は、「あ、来てたのか」と当たり前のように言いました。
もう知っているのなら、前もって言ってくれれば良かったのにと私はすこしふくれました。
結婚するのは、大学の時の旦那の友達で、今はテレビに出ている俳優さんでした。
「こいつ学生時代にアルバイトしてたんだ」
「奥さんはその時の女優でね、なんかで出たんだが、結局離婚してね、こいつと再婚したんだ」と話してくれました。
「その後大学は中退して、劇団員してたんだが、最近朝のテレビドラマにでてから急に売れ始めてね」
「それで、まだ結婚式はしてないので、結婚式をやろうという事になったんだ」
「大学の時の友達は呼ばれるのは俺とあと二人かな、劇団とかの連中がいっぱいくるそうだ」と旦那が言います。
私が「どうして、男優さんなんかと結婚する気になったのかしらねえ」と聞いてみると、「それはもちろん、あれだよ、あいつあれがでかいんだ、だからの男優にぴったしというわけさ。そうだ結婚式のお祝いにいい物を送ろう、きっと受けるだろう」と言い出しました。
数日たって、午後宅急便が届くと、包みにはなにも書いてなくて、品名にはコンピュータ機材と書いてありました。
宛名は確かに旦那の名前でしたが、一応は中身を確かめたほうがいいと思って、包みをほどいてみました。
すると中からでてきたのは木でできたこけしのようなものでした。
私は、どうやらこれが旦那の言っていた安産のお守りらしいと気が付いて笑いが止まらなくなりました。
そのときいつも遊びに来ているが真琴さん来ました。
玄関先で、置物を見つけると笑い転げていました。
ひとしきり笑い終わると、「ねえ、私電気で動くの持ってるわよ、大きさはちょっとこれよりは小さいけどね。」
「ね、何に使うのかしってるわよね」と言い出しました。
「あ、あれね、知ってるけど、見たことなくて」と私が言うと、「じゃあ見にいらっしゃいよ」と誘われました。
私は、どうせ暇だしと思い真琴さんの家まで行きました。
ちょうど旦那の孝則さんは、休みだったせいか、まだパジャマ姿で部屋をうろうろしていました。
真琴さんは、孝則さんがいるのにも構わず持ってきました。
「これ、旦那よりよっぽどいいのよ」と笑い声をあげると、孝則さんが顔をだしてきました。
話しをきいていたのか、「よくもいいやがったな」と言って急に怒り出すと真琴さんに襲いかかって身体をくすぐり始めました。
真琴さんは「やめてよ、私くすぐられるの弱いの」と言い出しましたが、すぐに声の調子が変わっていくのが分かりました。